外務副大臣ニュース

H18.4.20 副大臣会見記録 (17:06〜 於:本省会見室)

金田副大臣定例記者会見要旨

◆日中関係

金田副大臣)はじめに、先週の10日から13日までの日程で香港と北京に出張したことについて簡単に報告します。まず、日中関係においては、経済、そして人的往来の強固な基礎が存在している一方で、両国間の相互理解が不十分な面があって、日中両国国民の心が離れつつあるという懸念も指摘されていますので、国民間、特に次世代を担う青年の直接的な交流を推進することが必要という考え方の下に、訪中をさせて頂きました。
 今回の訪中では、李肇星(り・ちょうせい)外交部長をはじめとした、外交部、そして文化部、教育部、共青団といった中国側の責任者と積極的に意見交換を実施しましたほか、香港では、フェニックステレビの看板時事番組に出演しまして、わが国の考え方を紹介させて頂きました。対中パブリック・ディプロマシーの強化、あるいは日中21世紀交流事業など、わが国の努力と強い意欲を中国側に理解してもらい、そして、両国国民の交流を促進することの重要性を双方で確認することができたということについては、今後の日中関係を更に促進させる上で、大きな意義があったのではないかと考えています。

(問)訪中の際の李肇星(り・ちょうせい)外交部長との話し合いで、日中外相会談のお願いをするとか、あるいは向こうから、それはできないとか、そういう話はありましたでしょうか。

(金田副大臣)李肇星(り・ちょうせい)外交部長からは、麻生大臣によろしくという発言があったと記憶しています。

(問)日中外相会談ができない状況になっていますが、今後できるというような感触は得られましたでしょうか。

(金田副大臣)会談の中でのやりとりは、今申し上げた通りです。

(問)李肇星(り・ちょうせい)外交部長さんがよろしくと言った前段の部分で、金田副大臣の方から何かおっしゃったのですか。

(金田副大臣)先程申し上げました、李肇星(り・ちょうせい)外交部長とは、今回のまさに、日中両国民間の相互理解増進の必要性、そしてまた、わが国の日中両国の交流、文化交流あるいは青少年交流に向けての、あるいはパブリック・ディプロマシーの考え方を話しました。18年度予算が通ったわけですが、17年度補正予算も含めて、かなりの予算措置もしていますし、そして、来年は国交正常化35周年、日中平和友好条約30周年ということもあります。そしてまた、中国における日本年文化事業といったことも、お互いに一緒に努力することのできる話し合いがありまして、国民交流増進というのは極めて重要だと、そして、中国側もそういうことを重視しているということで、意見交換の中で同じ意見を持つことができたということです。その後、日中友好7団体との会談の際に、中国政府の当面の対日関係についての考え方を述べられましたので、それについての私どもの基本的な考え方、日中の関係の現状を見れば、一つの問題が日中関係全体の発展を阻むには日中関係はあまりにも重要であると、このようなときこそ対話を通じて双方の知恵で問題を克服することが必要だということを述べたわけですが、その際、そういうことを話し合った後で、よろしくという話があったということです。

(問)李肇星(り・ちょうせい)外交部長の発言なのですが、前回の全人代ではかなり厳しい口調で小泉総理の靖国参拝を批判されたのですが、その会談の中身は全部言えなくても、小泉総理の靖国参拝、日中関係について、もうちょっと何か話があったかと思うのですが。

(金田副大臣)わが国の方の固有名詞ということについては触れられませんでした。

(問)靖国神社についての言及はあったのでしょうか。

(金田副大臣)胡錦濤国家主席の友好7団体との会談の際の中国政府の当面の対日関係についての考え方を述べたということで、直接、殊更に靖国といった指摘は受けませんでした。

◆日韓関係

(問)一部報道で、今、日韓で問題となっている調査船の関係で、谷内次官が韓国を訪れるという報道があるそうなのですが、事実関係は。

(金田副大臣)今ご指摘の話は例の、今朝から色々な報道がありますあの一環だと思います。ご承知のように、今日の午前、潘基文(パン・ギムン)外交通商部長官と大島駐韓大使が会談したわけですが、そういう内容については、特に現時点で申し上げることは差し控えさせて頂きますし、その後の報道等については、外交上のやり取りということについては、コメントは差し控えたいと思います。いずれにしても、冷静な対応が必要であると言いますか、円満な解決を目指して、そして、日韓両国で様々な外交的努力と言いますか、様々な接触は行われているという状況です。今はその行方を見守っていくということになるのかと思います。

(問)事務次官の韓国訪問についてはどうなのですか。

(金田副大臣)その点についてはまだ承知していません。

(問)韓国側では潘基文(パン・ギムン)外交通商部長官と大島大使が話をされたそうですが、日本側で日韓の、韓国の大使館と日本の外務省で何らかの接触は今のところありますでしょうか。

(金田副大臣)先程も申し上げましたが、何と言いましても、お互いに国際法に則って、そしてまた、円満に解決していくという考え方が望ましいのではないかと思っています。その為の話し合いというのは、日韓両国間で引き続き継続していく必要があるだろうと考えていますが、具体的な点については、やはり話し合いを基本的に継続中ということで控えさせて頂きたいと思います。

(問)話の中身は別として、接触したかどうかというのは。

(金田副大臣)それも含めて、様々な外交的努力をしている中での具体的な話については、コメントを差し控えさせて頂きたいと思います。

(問)日韓がかなり接触を図って事態打開に向けて取り組んでいるところですが、副大臣から見て見通しはいかがですか。

(金田副大臣)繰り返しになりますが、この問題については、国際法に則って冷静に対処していくという基本、そして、円満な解決が望ましいということ、様々なレベルで努力をしつつ、日韓両国で話し合いを引き続き継続していくということだろうと思っています。いずれにしても、私の個人の意見を申し上げますと、日韓両国というのは、隣人として沢山の色々な経験を経てきたお互いに大人の国であると思いますし、そういう成熟国家同士ですから、冷静に、共に法に則って対応していくと、そして、大人の決着を図ることのできる両国であるはずだと思っていますので、先程申し上げましたとおり、国際法に則って冷静に対処していく、そして、円満な解決を目指して日韓両国で引き続き話し合いを継続していくということであると思っています。

(問)今言われた「円満な解決」という意味で言えば、韓国が提案をとりあえず抑えておけば日本としても調査に対しての何らかの対応を考えるというのは、選択肢の一つなのでしょうか。

(金田副大臣)今そういう報道があることについてはちょっと承知していませんが、私が申し上げることは、今お話しさせて頂いた内容です。 (了)

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