外務副大臣ニュース

 

8.31 金田副大臣のレバノン国際支援国会議出席について

  1. 8月31日、スウェーデンにおいてレバノン国際支援国会議が開催され、金田副大臣が日本政府の代表として出席し、スピーチを行った。
  2. 会議では、国際社会が連携してレバノンへの人道・復旧支援を行っていくことが重要という認識が強調された。
  3. 我が国は、従来からポスト・コンフリクトの人道・復旧努力が重要になると考え、そのような分野こそ我が国が主導的役割を果たせると考えてきた。また、今回の事態からも明らかなように、包括的な中東和平の実現にはレバノンの安定は不可欠であるとの認識に基づき、我が国は今後、中東和平実現に向けた取り組みの一環として、レバノンの人道・復旧支援と地域の安定のためにできる限りの支援を行っていく考えである。
  4. 具体的には、金田副大臣が会議で表明したとおり、我が国は、既に実施した200万ドルの人道支援に加え、早期復旧支援として300万ドルの追加支援を行う用意がある。また、国連の関係機関が実施する「地雷と不発弾の脅威除去及び社会復興の促進」プロジェクトに対して人間の安全保障基金を通じ約200万ドルの支援を行うことを決定した。
  5. 従って、今回、我が国は合計約500万ドルの追加支援を表明したことになり、既に実施した人道支援を加えると、全体で約700万ドルの支援額となった。


レバノン国際支援国会議における金田外務副大臣スピーチ
                                  (本文英語:日本語訳)
 

 パーション・スウェーデン首相、
 セニオラ・レバノン首相、
 ご臨席の皆様、

  まず始めに、今回の会議を主催されたパーション・スウェーデン首相及びスウェーデン政府
 の努力に感謝申し上げます。

  7月12日にイスラエルとヒズボラの間で今回の事態が発生して以降、多数の方々が犠牲に
 なったことに心からお悔やみを申し上げます。また、約90万人と言われる避難民の方々をは
 じめとして、今回の事態により大きな被害を受けたレバノンの状況を早急に改善するため、
 我々国際社会は一致団結して取り組んでいかなければなりません。その意味で、早急に本
 会議の主催を決定したスウェーデン政府のイニシアティブを高く評価します。

  レバノンは、中東地域において民主主義を実践し、また、国民対話を通じて多くの宗教、
 宗派が絡み合った国家の運営に努力してきました。また、今回の事態を受けて、セニオラ
 首相は、国軍の南部展開という決断を行いました。我が国は、そのような民主主義の実践や
 問題解決に向け尽力するセニオラ首相を強く支持します。

  今回の事態を見ても明らかなように、包括的な中東和平の実現にはレバノンの安定は不
 可欠です。我が国は、先般小泉総理が中東を訪問し、域内協力を通じてヨルダン渓谷の開
 発を実現させるための構想を提示するなど、中東和平の実現に向け我が国独自の取組を
 積極的に行っています。レバノンの安定への取組も、中東和平実現に向けた取組の一環と
 して、できる限りの貢献を行っていく考えです。

  第一に、当面の緊急人道支援として、我が国は、先月、国連が発出したフラッシュアピール 
 を受け、食糧、医薬品、シェルター供給のために既に世界保健機関(WHO)、世界食糧計画
 (WFP)、国連高等難民弁務官事務所(UNHCR)の3機関を通じて200万ドルの支援を決定し
 ました。
  さらに、今般の早期復旧計画の内容を精査した上で、環境分野等において、総額300万ドル
 の追加支援を行う用意があります。また、レバノンの安定には、南部の安定とともにその開発
 の前提となる地雷除去が不可欠です。我が国は、国連PKO局地雷対策サービス部(UNMAS)
 による南部地域における不発弾等処理プロジェクトに対して人間の安全保障基金より約200
 万ドルを拠出することを決定しました。今後の現地のニーズの拡大にしたがって、同基金から
 の追加的な支援も検討しています。また、日本のNGOが避難民に対する緊急人道支援を実
 施するに際し、我が国政府は資金供与によって協力する考えです。
  これらの人道・復旧支援に加えて、レバノンの中長期的安定のため、関連安保理決議の履
 行を確保するための支援も行っていく考えであり、今後明らかになるニーズを踏まえて、キャ
 パシティ・ビルディングなどの技術協力等を行うことも検討しています。
  最後に、レバノンの安定、中東地域の平和と安定に向けた我が国の意思を改めて強調し、
 挨拶とします。

 


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