2008年 2月 22日

10日も前の話になるが、韓国ソウルで国宝一号の「南大門」が放火によって焼失した。我々がソウルを訪問すると必ず見る立派な建物だけに、衝撃も大きかった。

その後の報道は、防犯・防災管理体制のずさんさ、文化財保護施策の遅れ、と言った点に集中しているように見える。

確かに基本的な防犯・防災措置は必要だろう。自然災害もある。
日本も文化財保護対策には力を入れている。

しかし、思えば国宝級の文化財もすべて、その国の国民が歴史の中で築き上げてきたものであり、本来国民の中に自然に存在すべきものかもしれない。

その国民を疑い、あるいは警戒し、防犯・防災措置を強化しなければというのは、近代国家・政治の一つの流れであって、ある意味悲しい逆説である。

人々が本当に幸せならば政治に過度な関心をもたなくてもすんでいくように、国が本当の意味でなすべきなのは、国民をして「放火をしよう」という思いに駆られるような状況に陥らせたりしないことだ。

これは本当に理想であるが、決して忘れてはいけない理想だと思う。

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